アクロポリスの丘と西洋の原点
ヨー
ロッパの歴史を今まで深く考えたこともなかった僕には、ヨーロッパの先進国をイギリスやフランス、ドイツといった国であると考えていた。日本が幕末から明
治時代にかけて急速に西洋化した歴史が僕にとって記憶が新しく、イギリスをはじめとして先に述べた国から受けた影響は、間違いなく大きかったといえる。し
かし、僕はようやく気が付いた。「ヨーロッパ」を考えるとすれば、まずギリシャやイタリアの存在を抜きにしては語れないということを…
現代ではどうか。かつての文明国はヨーロッパにおいて、政治的にも経済的にも他国に影響を及ぼすどころか、すっかり影を潜めてしまっている。僕が眺望した
パルテノン神殿は、もはや「過去の栄光」であって、それは現在に続いている栄光では決してない。例えば、今回の旅行では訪れなかったが、南欧でも西部に位
置するスペインやポルトガルは、大航海時代において世界をリードするまさに大国であった。アメリカ文明、南米大陸、アジアのあらゆる財宝を剥奪し、自分達
の国へ持ち帰った。自分達の「言葉」だけを植え付けて…それは、南米大陸をみれば一目瞭然である。そして、彼らはその剥奪した財宝を持ち帰り、その「栄
光」にただ酔い痴れた。それを何にも生かせなかった。やがて、スペインの無敵艦隊と恐れられたアルマダも、英国海軍に敗北する。以降、スペインやポルトガ
ルの「栄光」は一瞬のうちに過去のものとなった。そして現在のスペイン、ポルトガルはどうか。ヨーロッパにおいては、すっかり後進国になっているではない
か。
そうした南欧諸国の過去と現在を考えているうちに、歴史というものが実に恐ろしいものであることが分かったような気がする。しかし、文明国ギリシャ・ローマが、間違いなく、「ヨーロッパ」の原点であることには変わりはないだろう。
約2ヶ月、僕は急ぎ足でヨーロッパを巡った。そして、最後にこのアテネを訪れて良かったと思っている。はっきりとした理由は分からないのだが、これがもし
最初にアテネを訪れ、逆周りで旅を続けていたら、「ヨーロッパ」に対して全く違う印象を受けていたかもしれない。「ヨーロッパ」を巡るにあたって、最後に
ふさわしい国だったと思う。
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