ニューヨークの記念イベント2
毎年クリスマスに飾られるあの巨大なクリスマスツリーは、ニューヨークの名物ともいえるが、そのクリスマスツリーの点灯セレモニーがニューヨーク滞在中にあった。この旅人とも暇人ともいえる僕は行くことにした。
夕方、恐る恐るロックフェラーセンターの方へ歩いていくと、人混みの流れに逆らえず、気が付けば僕は大衆の中の一人になっていた。目の前には、大きなモニ ター画面が設置されている。この狭いロックフェラーセンターの付近では、世界中からの観光客で溢れているから、全ての人が直接ツリーの点灯する瞬間を拝見 できるなんてことはない。この大画面を通してである。そんな僕もモニター組みの一人であったが、セレモニーに招かれた有名歌手らのクリスマスソングは、聴 いているだけでやはり迫力があった。ライオネル・リッチーやエンヤの歌声が印象に残っている。
彼らのステージが終わると、いよいよ点灯である。観衆のカウントダウンが始まった。数年前、テレビで見たニューヨークの年明けの雰囲気がこの瞬間にあった。このまま年が明けるのではないかと錯覚したくらいである。一瞬にして大きなツリーが鮮やかに浮かび上がった。
だ が、この点灯の後が大変だった。モニター組みは一斉にその綺麗なツリーを一目見ようと大移動するのである。そもそも、それが今日のメインイベントでもある から仕方ない。僕は、流れに身を任せるうちに、(いや、見たいという気持ちもあってだが…)ようやくツリーの目の前に着いた。そして、その本当に巨大で綺 麗なツリーを間近にした時、ふと周りを見渡した。男の一人なんてものは何処にもいなかった。この時、一人旅の良さを十分に味わっていたつもりだったが、こ ういう場所の孤独はさすがに辛いものがある。一人旅は一人旅らしく、それにふさわしい場所を選ばなければならないのか…
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