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親父の親友、宮脇さんとの出会い2

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 当時、親父がヨーロッパ放浪へと旅立つ前、宮脇さんと親父は一緒に商工会議所が主催していた青年の船に乗り、異文 化圏の青年たちとの交流を目的として台湾、香港、フィリピンなどを周遊した。宮脇さんたちは、その航海中の船上で音楽を演奏し、場の雰囲気を和ませるとい う任務があったのだが、何よりも宮脇さんと親父にとって初めての海外渡航であった。
 長い時間をかけて、ゆっくりと船が外国へ近づいてゆく。やが て、船のデッキから陸が見え始めた。初めて見た外国に二人は感動し、興奮しっぱなしだったと語ってくれた。(ちなみに、宮脇さんはこの船で奥さんとめぐり 合っている。親父の話によれば、宮脇さんの完全な一目惚れであったと聞いているが、何ともロマンチックな話である)

 今では海外旅行はもう娯楽の一つになっていて、誰でも行ける時代になった。だが、今から30年以上も前となると、まだ外国に行ったことのない人の方が圧倒的に多かっただろうし、まして飛行機も日本からヨーロッパまで現在のように飛んでいない時代である。
 僕の旅は、大陸内を除けば大半が飛行機での移動であった、確かに早くて便利であるが、外国がもっとじわじわと近づいてくる船旅に不思議な魅力を感じた。

 親父は、この青年の船で日本に帰国してまもなく、一人でヨーロッパへと旅立った。親父がまた外国に行くと聞いた宮脇さんは、当時の心境をこう話していた。

「あいつがまた外国に行くと聞いて、心境が二つあった。一つは、何や俺を置いてまた外国に行ってしまうんか、しばらく会えへんなぁという純粋な寂しさ。もう一つは、俺も外国に行きたいのにあいつ先に行きやがったなぁ、俺も絶対にまた外国行くぞという嫉妬心やね」

当時をそう振り返る宮脇さんであったが、現在はニューヨークに滞在してもう6年が経ち、ニューヨークに滞在する前は イタリアにも長期滞在していたほどだ。「イタリアは、僕の第二の故郷や」と、話していたのが印象的であった。そんな宮脇さんは、若き頃の夢を今まさに全う している。
 後にも先にも、僕はこの日食べたとんかつの味を忘れてはいない。次回は、日本でたこ焼きパーティを開く約束をした。宮脇さんは「悪いけど食べまくるで!」と話していた。そろそろ、宮脇さんが仕事に戻らなければならない時、最後に宮脇さんはこんなことも言っていた。

「心太郎君ね、今は良く分からないと思うけど、自分の親友の息子がこうやって訪ねて来てくれるっていうのは不思議なもんやで~」
僕も、そんな不思議な気持ちが分かる親父になりたい。

 

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